Tolie.
迷走
「 ・・・アゲハ 」
一輝から、あの話を聞いてから
二日が経った。
「 どうした? 」
二人にとっては今も生き続けている
”リカ”に、自分のしていることが
どう映っているのか考え出すととまらなくて
この二日間、龍一が持ってきてくれる
水以外は口にしていない。
「 お前、何考えてんだ 」
二日間、”言葉”も口にしていない。
ただ呆然と彼の中に未だに生きる彼女を
想像しては、俯いて、黙り込むだけだった。
───────コンコン・・
開いたままのドアをノックして
気が立った彼の肩を軽く叩いて
「 俺が、話す 」