Tolie.
「 後悔しないって言ったのは
ツバサだろ? 」
・・・・後悔は、してないよ?
視界に映った一輝の手は
ギュッと強く握られていて、
”な?”って掠れた彼の声が
頭上から降ってきた。
「 俺が過去をツバサに話したって
ツバサがリカを思って悩んだって
龍がツバサを攫ったって
・・・・・・リカは、戻って来ねぇんだよ 」
視界から消えた彼の手は
私の頬に添えられていて
手から伝わってくる彼の体温に、
鼓動に、無意識に涙が溢れた。
「 俺はもう、絶対に嫌だ 」
添えられていた手がゆっくり
下におりてきて、指先で唇をなぞる。