Tolie.




「 聞いてもいい? 」




後悔しないように。
聞いておきたい。




「 なに? 」




首を傾げた彼はテーブルに
コップを置いて、ベッドに腰かけた。
私が起き上がろうとすると
彼の手が伸びてきて、支えてくれた。




「 ・・・・・・ッ 」




一輝は、攫ったって言ったけど
あの時、私は”怖い”だけじゃなかった。




攫われるその瞬間。
”救われる”。




そう思った。




逃げようと思ったし、怖いと思った。
身の危険も感じた。
それでも、この人の手は温かかくて
優しくて。






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