Tolie.
「 逃げたいって思わなくなるくらい
傷つけてやろうと思ったんだけど
その度にカズがフォローしてきて
話を逸らすようにリカに色々
聞いてたんだよ、アイツが。 」
私の、質問に対しての答えにしては
全く話があわないけど、
私の中に詰まっていた何かが
すっ、と取れた気がした。
「 リカが逃げても俺はすぐに後を
追えたし、そうやって繰り返してる内に
諦めるって思ってたんだけどなぁ 」
”全然諦めねーんだよ”
くっ、と声を押し殺して笑うと
握った拳を顔の目の前でゆっくり開いた。
「 リカが死んだとき、初めて”壊した”
って思った 」
ぎゅっ、と再び握られた拳を
私は呆然と見ていた。