Tolie.

温度





「 はぁ、はぁ・・・ 」




窓の外を眺めたことはあったけど
自分が出ることなんて考えてなかったから
一輝がいつもどの道から来るのか、
全く分からない。




でも、後ろから龍一が追いかけて
来てるんじゃないかって思ったら
走らずにはいられなくて、
迷ってる暇なんかなかった。




「 ここ、どこ? 」




一本道を真っ直ぐ走ってきたつもりが
いつの間にか入り組んだところに
来ていて、振り返ってもすぐに曲がり道。




地元でもないよく分からない土地で
一輝のところに行こうなんて思ったのが
バカだった。




「 一輝ぃ・・・ 」




久しぶりに吸った外の空気。
いつの間にか温かくなった風。
キョロキョロと人気のない道を
一輝を探しながら歩く。





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