Tolie.
夜まで待ってれば、一輝に
会えたのに・・・。
勢いだけで飛び出してきたことに
少し後悔もしたけど、
部屋から出るだけでこんなに
自由になれるなんて思ってなかった。
何度も何度も振り返ったけど
誰も追ってきていない。
少し緊張が和らいで、気づいたら
一輝を探すことで頭がいっぱいだった。
「 ・・・6時? 」
公園のベンチに座っていると
目の前の時計はもう6時を指している。
少し日が暮れた気がしただけで
まだ明るいのに。
─────早く、一輝に会いたい。