Tolie.
「 俺は綾川優斗、さっきの診療所で一応
医者やってるんだけど・・・ 」
ベラベラと自分について話し出した彼は
首を傾げる私を見て小さく笑うと
”そうだな”って足を組んだ。
「 黒崎龍一、北山一輝 」
「 ・・・え? 」
聞き覚えのある名前に顔を上げると
”ビンゴ”って目を細めて、
「 2人は俺の幼馴染だよ 」
薄いレンズの奥の瞳が私を捕えて
固まった私の隣まで来ると
彼の腕が、私を包み込んだ。
「 辛かったね 」
その一言と、彼の優しい腕に
包まれるとなんだか悲しくなってきて
気づいたら、彼にしがみついて
大泣きしていた。