Tolie.
拳を痛いくらいに
握る。
涙を堪えて唇を噛んで
私を見ないお母さんを
見下ろす。
小さな溜息をついたあと、
「 産まなきゃよかった 」
つい最近、聞いた言葉を
もう一度というように
面と向かって言われた。
「 誕生日プレゼントを
買いに行った帰りだったの 」
そう言うと、私を睨み上げて
「 美優がいなきゃあの人は
死ななかったの! 」
勢いよく立ち上がったお母さんに
強く肩を押された。