Tolie.





「 怖いと、思いました。・・・でも 」


「 でも? 」


「 私はこれからどうなるんだろうって
  そんなことばかり考えてました 」




不謹慎だと思ったけど、それが真実。
あれからたまに頭をよぎるのは
”リカだったらどうしたんだろう”
そんなことばかりで、嫌になった。




「 いい子だね 」




しばらく黙っていた優斗さんの
口から出た言葉が意外すぎて
俯いていた顔をゆっくり上げた。




「 それが正しいんだよ? 」


「 ・・え? 」




コーヒーをテーブルに置いた
優斗さんは、優しく微笑んだ。




「 自分自身を忘れてないみたいだね 」




よく、分からない。
”よかった”って笑う優斗さんを
見ていたら、目が合って
ゆっくり立ち上がった優斗さんが
私の隣に腰を下ろした。






< 198 / 445 >

この作品をシェア

pagetop