Tolie.
「 本当に面白い子だね 」
「 え? 」
「 ここまできて警戒なんて
しなくても俺は龍一には
ついてないよ 」
助けてくれたから、悪い人じゃない。
そんな安心感はどこかにあったけど
信用とはまた別な気がした。
2人とは幼馴染ってことは、私の
事情をすべて知った上で私を
助けたとしたら、もしかしたらまた
連れ戻されるかもしれない。
いまさらそんなことを思ったって
遅いのは分かってた。
少し足掻いてみようとしたつもりが、
いとも簡単に考えを見破られて
恥ずかしくなって目を逸らした。
「 それなりに”ツバサ”については
聞いてたんだけど、美優ちゃんに
ついては全く聞いてないんだよね 」
「 え? 」
「 うん。だからさ、言いたくない過去は
言わなくていい。嫌だと思ったら
黙り込んだっていいから、少しだけ
教えてほしい 」