Tolie.
「 龍一に、何か言われたから
それに気づいたんじゃないの? 」
小さく頷いたら、”何て言われたの”
って少し震えた声がすぐ間近で聞こえて
覚えている限り、龍一に言われた言葉を
優斗さんに話した。
あのときに感じた、どうしようもない
憎しみと、逃げることに迷わなかったことも。
目の前は真っ暗だったけど
さっきまで冷たかった声が
最初のように優しく戻ったのを
なんとなく感じた。
「 そう、言ったの? 」
何度か頷くと、ふと目の前が
明るくなって、
「 ・・・・バカだよ 」
小さくそう言った優斗さんは
今までにないくらい強く
私を抱きしめた。