Tolie.
──────本当は、知ってるんじゃないか。
口が滑りそうになって
ぐっ、と下唇を噛んだ。
何か言えない理由が・・・・
変な方向にばかり考えが向いて
振り切るように首を振った。
「 あの子の名前を聞いて、言いたいことを
全部言っておいで。今はまだ寝てるけど
きっとすぐ起きてくるよ 」
苦笑した優斗は俺に家の鍵を
渡して、部屋から出て行った。
「 ・・・・なんなんだよ・・? 」
鈍い俺にもわかる。
優斗は何かを知っている。