Tolie.
頭上から降ってくる言葉に
顔を上げると、不思議そうに
私を見下ろす一輝と目が合った。
「 ・・・なにが? 」
「 そんなに強くしなくても
俺は別にどこにもいかねーよ? 」
そう言われて、
「 ・・・あれ? 」
初めて自分が一輝に腕を回して
いたことに気づいた。
”引き寄せられてる”んじゃなくて、
私が引き寄せてたんだ。
寝ぼけてた・・・?
熱を持った顔を両手で仰ぎながら
すっ、と一輝から離れる。