Tolie.
「 美優、可愛い 」
体に一輝の体重が圧し掛かって
”重い”と顔を歪めながらも
布団越しに感じる温もりに少し
口元が緩んだ。
「 ・・・あのね? 」
「 うん? 」
すごく、すごく怖い夢だった。
逃げても逃げても追いかけられて
捕まえられて、
私が”リカ”になった夢。
─────────・・だけど、そんなの一瞬で
私が本当に怖かったのは、
「 一輝が、私を置いていく夢だった 」
追いかけても追いかけても
笑いながら”じゃあな”って
”ありがとな”って一輝は走って行って
何を言ってもその二言だけで。