Tolie.
ふわり、と体が浮いて
車から降ろされる。
私の鞄はいつの間にか
一輝の肩にかけてあって
「 ・・・ふふっ 」
ヤンキーのくせに
紳士みたいなことするなぁ、
なんて思うと自然と笑いが零れた。
「 ・・・なに? 」
「 なにも? 」
「 ・・・チッ 」
痛いくらいに手を握られて
仕返ししようと私もぎゅっ、と
握り返したら
「 ・・・弱いな 」
「 いっ・・・!!!! 」
ふっ、と鼻で笑われて
更に強い力で握り返された。