Tolie.
少し怒りながら、それでも
二人でこうして外を歩くなんて
初めてで、嬉しくてやっぱり
頬が緩まる。
他愛のない話をしながら
誘われるように木造の建物の中に
入っていった。
「 カップル1組でーす!! 」
可愛らしいつくりになっている
ドアを開けると、ベルが鳴って
それと同時に振り返った女の人が
大声でそう叫んだ。
「 これ、サービスになりますっ 」
「 ・・・へ? 」
「 楽しんできてくださいねっ! 」
「 ・・え?え? 」
少し分厚いパンフレット?地図?を
もらって更に一本のバラを受け取ると
向かいのドアが女の人によって
開け放たれた。