Tolie.
温かい風に髪を揺らされて
片手で押さえながら目の前の
光景を目に焼き付ける。
「 ・・・美優 」
「 ん? 」
「 記念写真、撮ろ? 」
──────────なんだろう。
そう言った一輝の顔がすごく
寂しそうで、悲しそうで。
違和感を感じたときには
一輝はカメラを構えていた。
「 これうつってんのかな? 」
「 しっかりしてね! 」
「 おうよ! 」
シャッター音が響いて、
写真を確認して、携帯をしまう。