Tolie.
「 あ、 」
沈黙を破った一輝の
指は、淡い黄色の物体を
さしていた。
飾られるように休憩所の片隅に
鉢植えに植えられたソレ。
「 ・・・見覚えあるような? 」
「 本当だな!なんだっけ? 」
持っていた冊子をめくって
”ソレ”を探す。
「 ・・・何ていうの? 」
隣に居た一輝はいつの間にか
ソレのすぐ目の前まで行っていて
さっきまで遠目で花を見ていたのに
”珍しい”って笑いながら冊子を
見ていたら今より少し色づいた
ソレを見つけた。
「 ホオズキだって! 」
「 ・・・聞いたことない 」
見覚えはあるものの、お互い
その名前に聞き覚えはなくて
顔を見合わせて笑った。