Tolie.
「 これから優斗んとこに連れてく。
俺はそのまま、龍のところに
行ってくる 」
ゆっくり、体を離した一輝の頬は
濡れていて、悲しげに笑った。
「 ・・どうすれば、いいの? 」
「 優斗に、話を聞いて 」
「 え? 」
「 優斗は全部知ってるから、全部聞いて 」
”それだけでいい”
そう言われて、一輝は私の手を
引いてまた歩き出した。
さっきまで、明るかったのに
戻る道は暗くて、花が見えなくて。
心に、穴があいたみたいになって
どうしようもない喪失感が私を襲った。
止められない涙を隠すために店員さんの
前ではずっと一輝の背中にくっついていた。