Tolie.
「 おはよう、アゲハ 」
ふっと笑った男を
凝視してしまった。
「 お前さ、 」
私の顔の横に手をついて
真剣な顔で私を見下ろす。
けど、携帯のバイブ音が
部屋に響いて
男は小さく舌打ちをして
携帯を耳にあてた。
「 あ?・・あー、分かった 」
”すぐ行く”と電話を切って
ベッドから降りると
「 ”1番”って聞こえたら
適当に返事してやって 」
何を言っているのか
よくわからなくて
私の返事も聞かずに
男は部屋を出て行った。