Tolie.
「 許してやってとは言わない。
けど少しだけ、考え直して
あげてほしい 」
「 やめっ、・・ッ優斗さん! 」
”離して”と手を振るけど
やっぱり離してくれない。
だって、耳を塞いだって
いいって言ったのに。
今はそれを”許さない”と
ばかりに私の手を離してくれない。
「 君を守ろうと日中必死に
なって動いていた彼を、
”その人”を君の中でただの
悪人にしてほしくない 」
「 嫌!やッ・・・ 」
やっと離された手で
耳を塞ごうとすると
それよりも早く、優斗さんが
私の耳元に口を寄せた。