Tolie.




「 警戒しないでよ 」




窓から入ってきて
ケラケラと笑う男。
金髪のあの人と違って
威圧感を放っていなかった。




「 返事くらいしてくれたって
  いいじゃんかー 」




両手に持っていた袋を
床において、履いていた
靴を脱ぎながら私を見る。




顔の半分まで布団を
被っているから
男からは私の目しか
見えていない。




「 俺、北山一輝[キタヤマ カズキ]!
  一輝でいいからねー 」




”よろしく”と私に向かって
手を出してきた。




「 ・・・つれないなー 」




布団の中から手を出さない
私に文句を言いながら
差し出した手を引っ込める。





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