Tolie.





「 結局美優が一番苦しんで
  辛い思いしてんじゃんって
  言われて、・・・うん、なんか
  すっげぇお前に会いたくなった 」


「 ・・・へ? 」


「 俺はお前が泣かないようにって
  思ってたのに、結局泣いてたんだって? 」





さっきまでの大人びた姿は
どこに消えたのか、意地悪く
笑った彼が顔を上げて、
私の手を引っ張って引き寄せると





「 俺がいなくて寂しかった? 」





そんなことを、聞いてきた。





”最低だ”と、”信じられない”と
あの部屋を飛び出してから私は
後悔するわけでもなく、だけど
モヤモヤして、すっきりしなくて





「 寂しくなかった 」





”寂しい”とは違う感情で
頭がいっぱいになりそうだった。








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