Tolie.





それから、しばらく間をあけて
龍一は大きなため息をついた後
ゆっくり、話し出した。





「 俺、カズからよく優斗の自慢話
  聞いてて、顔も知らない優斗に
 憧れて髪染めて喧嘩しててさ、
  そん時に、喧嘩好きの集団の頭に
  喧嘩吹っ掛けたんだよ。
  やるだけやって勝ち負けは
  つかなかったんだけど、その後に
  優斗に会って”喧嘩すんな”って
  カズと一緒に怒られたんだよ。




  それからは喧嘩も少なくなったし
  大人しくしてたんだけど、
  その時期にリカに会った。




  ”攫う”っていう気はなくてさ、
 捨て猫を拾った気分だったんだよ。
  んで、傷治ったら帰してやろうと
  思ってた、最初は 」



「 ・・・最初は? 」





龍一はバツの悪そうな顔をして
少し表情を曇らせた。




「 喧嘩好きの集団の頭、赤也に
  リカが見つかったんだ。
  その頃にはリカはよく逃げて
  帰ろうとしてたから追いかけてるとこを
  赤也に見られてたんだよ 」







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