Tolie.





痛いくらいに、
握り締められた手から
一気に力が抜けて、









「 リカを追い詰めて殺したのは
  俺なんだよ、美優 」





あいた手で目元を押さえて
肩を震わせる彼が、







いつかの日のように
愛しくて仕方なかった。
立ち止まった彼は私の手を
そっと離して、鼻をすすって、







「 お前が泣いてるのを見ると、
 また死ぬんじゃ、ねぇのかと・・ッ 」


「 龍一・・ 」


「 気づいたら、同じことばっかり
  やってて、バレねぇようにって
  見張ってる奴らを潰して回っても
  お前のこと、バレて・・・俺、・・ 」





うまく呼吸ができていない龍一を
強く抱きしめると、龍一の涙が
私の首筋を伝っていった。








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