Tolie.








「 まじで、死ぬんじゃないかと
  思った。二日間も飲まず食わずで
  痩せたお前を見たときに、
  ”もう限界だ”と思ってさ、
  お前が狙われてんのに、俺はお前を
  わざと部屋から出したんだ 」



「 ・・・・・うん 」





首筋を濡らす龍一の涙は
温かくて、吹き付ける風に
さらされると涼しく感じた。








「 意味、分かってんの? 」


「 ・・・うん、分かってるよ? 」


「 俺はお前を、殺そうと・・・ 」


「 けど、生きてるよ 」





今だから、分かる。
”憎め”、”恨め”って
思いながらあの話をしたこと。
私が出て行ったあとに、一輝や
優斗さんにすぐに連絡をいれて
私を探してくれたこと。









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