Tolie.
真っ赤に染まった服と地面。
転がった傷だらけの携帯から
聞こえた嫌な声。
「 大丈夫、大丈夫だから・・・
今は、自分のことを優先して? 」
”会いたい”とカーテンを
見つめる私を宥めていると
優斗さんの震えた声が部屋に響いた。
「 もうすぐ、一輝がくるよ。
そのときに・・・そのときに、
俺が龍一に代わって全てを話すよ 」
”だからそれまでは、自分のことを
考えていて”
優斗さんの言いたいことは分かる。
”焦るな”。
体が動かない私がカーテンを
あけて隣で眠る龍一に会えるはずがない。
機械が邪魔をして、カーテンをあけても
見えないことは分かってた。