Tolie.





「 龍一は赤也についての色んな情報を
  かき集めて、赤也を潰そうとした。
  やり場のないリカちゃんへの思いを
  抱いたまま、ナイフを片手に赤也の
  いる溜まり場に一人で乗り込んで・・ 」



「 そこに、俺が割って入った 」





床に胡坐をかいて座っていた
一輝が顔を上げると、
優斗さんは口を閉ざした。






「 わざと自分から追い込まれに行って
  アイツは何人か本当に殺しかけた。
  返り血を浴びて、歯食いしばって
  殴られても倒れなくてさ、アイツには
  赤也しか見えてなかったから、
  自分が囲まれてんのも気にせずに
  真っ直ぐ赤也の方へ歩いてた。





  ”リカ”って言いながら、だ。
  ナイフ振り回して返り血浴びて
  好きだった女の名前呼んで、
  ”今行く”って言い出したんだよ。



  赤也を潰すことなんか
  考えてなかったんだよ。





  アイツは”あの倉庫”で、
  赤也の目の前で死ぬ気だったんだ 」





泣いてるのが、バレないように
私は二人から顔を逸らした。







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