Tolie.
一つ一つ、あの時の疑問が
解消されていく。
仕事をしているわけでも
学校に通っているわけでもない
まだ未成年の彼が、何で日中
家を出て行くんだろう、と
心の中でいつも思っていた。
”帰ってこなければいい”とさえ
思っていたあの時、私がもっと
強かったら・・・────────
「 少しずつ、美優ちゃんの存在が
表に出るようになって、龍一は
焦りだした。
俺のところに預ける話も出て、
龍一は美優ちゃんの身の安全だけを
確実にするために頭を抱えて、
・・・それで、”追い出した”んだ。
一番危ないことではある、けど
美優ちゃんが走っている間、俺と
一輝が探し回ればきっと大丈夫だって
”羽は折れてもまた生える”って
クサいこと言ってさ、実行したんだ 」
開放感しかなかったあの時、
彼が私をずっと心配してくれていた。
優斗さんや一輝が必死に、私を
探してくれていた。
”危ない”からこそ私は何も
疑わずに逃げ続けられた。