Tolie.
「 体の傷は治療すれば治る、けど
心の傷はそんな簡単には消えないよ 」
「 ・・・・そうだな 」
「 自然に笑えるようになるといいな・・ 」
そんな二人のやり取りを、
そのまま聞くことはできなくて
結局私は起き上がって、大きな
欠伸をして”どうしたんですか?”と
驚く二人に話しかけた。
それからは普通に他愛のない
話をして、いつも通り帰って、
残された私は、無意識に
そっと隣のカーテンに触れた。
「 龍一、起きてる? 」
話しかけても、聞こえるのは
呼吸器の音と聞きなれた機械音。