Tolie.
お父さんが私のプレゼントを
買いに行ったせいで事故に
遭ったこと。
お母さんが私を酷く責めて
やつれたこと。
壁についた血の色も、
家を出るときに聞いた言葉も、
龍一に捕まったあの瞬間も、
あの場所も、聞いた言葉も、
自分が居た場所も、
全てに目を瞑って
知らないことにすれば
私は楽になれるんだと思った。
「 お父さんの、病院だったんだ 」
見覚えがある廊下も、医者も、
景色も町並みも、あの道も。
何も知らないふりをして
目を瞑って、全てから逃げていた。