Tolie.
「 うん 」
「 一人にしないで・・ッ 」
「 約束する 」
目に入った所々の小さな傷が
彼が本物であることを証明してくれる。
「 美優、好きだ・・・ 」
吐息も、声も、微かな動きさえも
今の私には全てが大切で
一つも逃したくなくて、
龍一に抱き上げられても
私はぎゅっ、と首にしがみついて
離れようとしなかった。
「 いつの間にか甘えん坊になったな? 」
「 ・・・一人に、するから 」
「 ごめんな? 」
返事の代わりに、腕の力を強めると
彼は小さく笑った。