Tolie.





「 俺、長い夢見てた 」


「 ・・・夢? 」


「 うん、そう。すげぇ長いやつ 」





止まることを知らない涙を
笑いながら龍一は拭って
私が落ち着いてきたことを
確認すると、その夢の話を
話してくれた。






「 俺はずっと暗闇の中、階段を下ってて
  休みたいんだけど階段が崩れていくから
  休めもせずに走って下りてたんだよ。
 けど、途中に白い光が見えて、そこに
  リカがいてさ、



 「 こっち 」って俺の手引いてさらに
  階段を下っていくんだよ。
  俺が何を言おうが、謝ろうが手を
  掴んだまま振り向きもしないでただ
  黙々と階段下って行って、



 「 お前、俺を恨んでねーの 」って
  ずっと聞きたかったことを聞いたら
 「 恨んでるって言ったらどうするの 」
  って立ち止まって、段々階段は
  崩れてくるのに、進まねーんだ。



  まぁ、それもいいかと思って
「 恨んでるならそれでいい 」って
  言ったら、アイツ振り向いて、
 「 これっぽっちも恨んでないよ。
   けど、恨んであげる 」って笑って
  俺の手を離して、あの時と同じ
 「 ありがとう。さようなら 」
  それだけ言って俺を階段から突き落とした 」


「 ・・・・・リカ、が? 」





私が聞くと、”酷ぇよな”って
龍一は苦笑した。







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