Tolie.
「 落ちるときに、お前の声が聞こえて
手、伸ばしたらさ?
お前が俺の手掴んで引き上げてくれた 」
「 え? 」
「 白い羽はえてたんだよ、背中に。
お前は人間じゃねーのかって
のん気に考えてたらお前の声が
ガンガン頭に響いてきた 」
少し離れていた体を再度
引き寄せて、抱きしめられる。
「 寂しい、寂しくて死ぬって。
おいていくなって俺に言うんだよ。
真っ暗で視界なんかはっきりしないのに
お前はとにかく上に向かって飛んで
そしたら、お前が光の中に飛び込んだ。
俺の手掴んだまま、飛び込んで
目、覚ました 」
”お前が俺を起こしてくれた”
服越しに温かい涙を感じながら
私もジワリ、と龍一の服に
シミを作った・
「 優斗に、会ったんだよ。
屋上行く階段探して歩いてるときに
アイツが走ってきて、お前を
起こしに行くって言うから
俺は屋上で久々に外の空気吸ってた 」