Tolie.





龍一の困った顔を見ても
勝手に、口が開いてしまう。






「 ・・・・・好き、好き・・・好きなの・・ッ
  龍一じゃないとだめなのッ・・!! 」







あの時、”寂しかった”って
言っておけばよかっただとか
”好き”ってもっといっぱい
言っておけばよかっただとか







言葉足らずの私の後悔は
そんなことばかりだった。







「 も、やだよ・・・・行かないで・・
  置いて行かないで・・・ 」






呼吸が乱れて、
体から力が抜けて、
龍一の服を掴んでいた
私の手はズルリ、と落ちた。










< 437 / 445 >

この作品をシェア

pagetop