Tolie.




彼が唇を離す頃には
自力では立っていられなくて
彼にもたれかかっていた。




「 ・・・りゅ、・・ち? 」




グイッと抱き上げられて
顔を上げると、龍一は
何も言わずに、私を抱いたまま
部屋に入った。







───────ドサッ





「 やっ・・・ん! 」





ベッドに”落とされて”
彼は、私の上に跨ると
首を振ってキスから逃げる私の
顔を両手で掴んで、キスをした。





唇を割って入ろうとする
舌を拒絶するように堅く
口を閉じていたら
彼が痛いくらいに下唇を噛んできて





「 い・・・っ 」




口の中に広がる血の味は
きっと彼の唇についた
私の血の味だ。





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