Tolie.




「 ・・・龍一 」




家を出る前とは明らかに
違う、彼の目つき。
今に始まったことじゃない。
今までだって帰ってきたときは
不機嫌丸出して、私が部屋にいるか
確認しに来るときも無言。




私を一目みて、ドアを閉める。




ただでさえ機嫌の悪かった彼を
私が怒らせてしまった。




「 俺の、シルシ 」


「 ・・・え? 」




チクリ、と
首筋に走る小さな痛みに顔を歪めた。






< 94 / 445 >

この作品をシェア

pagetop