CHATROOM
「ただいま。」


私はそう一言だけ言うと、お母さんに見つからないように二階に上がり、部屋着に着替えた。


「ふう……」


今日も無事に悪夢が終わった。私が一番、ホッとできる瞬間。


高校入学祝いに買ってもらったノートパソコンを片手に、リビングに向かう。


「さくら、またパソコン?」


リビングに入るなり、お母さんがフライパンから目を離さずに私に聞いた。


「うん。」


「夕飯までには終わらせなさいよ。でないと夕飯なしだからね。」


「お母さん、それはやり過ぎじゃない?」


そんないつものやり取りをしながら、私は今日の夕飯の匂いを嗅ぎながらノートパソコンのスイッチをいれた。
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