君だけのお嬢様に…
薔薇の部屋にて
「……ふ、ふえっくっしょん!!」
無意識にでた其れが、
自分のくしゃみだということを
理解するまでに少々時間がかかった。
まさか、16にもなってくしゃみで目覚めるとは…
若干の虚しさを感じながら鼻水をすする。
「あれ、私どうしたんだっけ…」
そう呟きながら、上半身だけを起こし辺りを見渡す。
自分の体はふかふかで生地は
明らかに高級なシルクのベットに寝ていた。
ベットのわきにはお姫様が
使うようなバラとピンクの小さなテーブル。
そして、その上には
水の入ったビンとグラス。
また、部屋中には心地よい
ローズの香りが充満していた。
「・・・・・・・・ここドコ?」
私の家はこんな薔薇づくしの
ロココ調ではないし、
何よりこんなにデッカくねえ!