ふたりの総長〜恋を知る〜
「・・・」


黙り込んだ石山君にあたしは話し続けた。


「下のモンまで指示が行き届かない、袋叩きも許す。そんな奴は大嫌いなんでしょ?あたしのことなんか大嫌いなんでしょ!

あたしは石山君に別れを告げられてから、ちゃんとした総長になろうと心を入れ替えた。そうでもしないと心が壊れそうだったから。

今のあたしが、蝶華があるのは石山君のおかげだと思ってる。だからあの別れは間違えじゃなかったって。感謝もしてる。


だけど、


だけどあたしは出来ることなら石山君には2度と会いたくなかった。


会ったらあの頃の辛い気持ちが蘇ってきそうだから。
あんな思いは2度としたくないから、恋なんかしないって、もう石山君には会わないって決めたのに・・・


なんであたしを助けに来たりしたの!!
見捨ててくれたほうが良かった!!」



あたしは言いたかったことを全部言った。



流れ落ちる涙を拭うこともせず。





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