ふたりの総長〜恋を知る〜
「このまま嘘を突き通して会いに行かなかったら後悔するぞ!自分の気持ちは石山に会ったら分かる。好きかそうじゃないか。」



「・・・」



「行け!俺は凛夏に幸せになって欲しいんだ!」


悠基はそういうとあたしを立ち上がらせ部屋から出た。



「ほら早く。」



悠基に背中を押され、あたしはその勢いに任せ走りだした。
行き先は勿論石山君の家。
無事な姿が見たい。
そう思いながら階段を駆け下りた。










「今度こそ幸せになれよ、凛夏・・・」






今にも消え入りそうな声で発せられたその言葉も、悠基の頬を伝った涙も。
あたしは知らない。







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