ふたりの総長〜恋を知る〜
さくらさんたちと別れたあと、石山君の部屋へ戻った。
ドアをノックしようとして、思い止まる。


石山君……まだ不機嫌かな?
そうだったら入りづらいな……。


ドアの前で悩んでいると、突然ドアが開いた。


ーーゴンッ



「いたっ」


あたしのおでこにドアがヒット。
あたしは思わずおでこに手を当てた。



「黒崎!わりぃ、大丈夫か?」


石山君はあたしの手をどけ、おでこを見る。


「赤くなってる……ほんとわりぃ」


眉を下げて謝る石山君。
あたしは石山君の手を振り払い、再びおでこに手を当てた。

「だ、大丈夫!すぐ治るよ」


おでこより心臓の方が重傷だよ。
石山君に手を握られて、あたしの心臓はバクバクいってる。


「ならいいけど。それより、なんか用があったのか?」


「あたしもう帰るから、それを言おうと思って」


「そっか。送るよ」


「バイクで来てるから大丈夫だよ」


石山君もさくらさんと一緒で、心配症だな……。
『じゃあ、玄関まで送る』と言った石山君に見送られ、あたしは家に帰った。

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