ふたりの総長〜恋を知る〜
「凜夏、真っ赤よ」


お母さんが笑いながら言う。
そんなの言われなくても分かってるよ。
石山君とくっつくの、まだ慣れてないんだから。



「これ、レア写真じゃない!?」


興奮気味のさくらさんが、要さんにカメラを見せる。


「そうだな」


要さんも驚いたように少し目を見開いた。


何がレアなんだろう?
もしかして、あたしの表情!?
そんなに変だった!?



「いぶきが笑ってる」



さくらさんの言葉に不安が消え去った。
石山君の笑顔?


「いぶきが笑ってる写真撮れたの、何年ぶりかしら?」



「幼少期以来じゃないか?」



昔を懐かしむさくらさんと要さんに、見たい気持ちが増していく。
そんなあたしの気持ちが伝わったのか、首もとから手が離れた。
後ろを振り返ると石山君は長田君の元へ行っていた。



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