憂鬱なる王子に愛を捧ぐ
―う……、気持ち悪い。
カーテンを引く音。
差し込む光に眉を顰めつつうっそりと目を開ける。
一番に飛び込んできたもの。
「……おはよう、真知。よく寝れた?」
ニッコリと、それはそれは美しく微笑む尚を見た。目が、全っ然笑っていないんですけども!!眠気も胃の不快感も一気に吹っ飛んだあたしは、椅子から転げ落ちてそのまま尚に全力で土下座をした。
最低、最悪、あたしってやつは!!
「す、すみませんでしたあああ!!」
居酒屋で飲んで、千秋が潰れて、あたしの部屋に運び込んだまではよかったのだ。おそらくその後飲んだ、一本の缶ビールが悪かったに違いない。あたしは、自分でやらなければならなかった仕事をまるっと残して、深い眠りに落ちてしまったのだ。