憂鬱なる王子に愛を捧ぐ

「ヒサ、今日、いつもと雰囲気違うよな。それがホントのお前?」

「……ホントって何、意味分からない。馬鹿じゃないの」

そんな尚の言葉にも、千秋がクツクツと笑う。
何がそんなに嬉しいのか。

それはあたしにも、尚にもわからなかったけれど、まだ酔いの残る静かな朝は、どこか穏やかな空気が漂っていた。

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