憂鬱なる王子に愛を捧ぐ

3台とも電源が入れられ、それぞれのブラック画面には見たこともない記号のような羅列がずらずらと並ぶ。
尚は無表情でキーを叩き、何かを導き出そうとしているらしい。

「真知も、……それに千秋も。もっと疑ったほうがいい。思っている以上に人間は平気で汚いことをするし、計算高くて利己的だ」

「尚?」

ただ真っ直ぐに画面を睨みつけるその横顔を見つめる。

これは、所謂"ぷろぐらみんぐ"とかいうものなのだろうか?次々とソフトを立ち上げては解析を続け、ものの5分程でその指は動きを止めた。

尚は、黙ったままあたしにパソコン画面を向けた。
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