憂鬱なる王子に愛を捧ぐ


「……ねえ。まずいところってあんた何したの?大丈夫??」

「別に。ちょっといろんなネットワーク覗きこんで解析しただけ」

唖然。
事も無げにサラリとそういって、データを保存したUSBメモリを掌で弄ぶ尚。証拠たる証拠。けれど千秋は、きっとこんなもので純子を疑ったりはしないんだろう。

自分で見て、話して、感じたものしか信じない。
それこそ純子に告白なんてされたら、きっと千秋は物凄く喜んでふたつ返事でオーケーするんだろうな。

簡単に想像出来て、悲しい。
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