憂鬱なる王子に愛を捧ぐ

「あわわ。それ、ほんとう!?」

「嘘ついてどうするのよ。先生、カンカンだったわよ。青筋まで立ってた」

最悪だ。
ただでさえ目をつけられているというのに。

純子は呆れた様子で肩を竦めた。

「千秋君も心配してたわよ」

その言葉で、あたしはハッとした。
そうだ。今は、田丸に悩んでいる暇なんてない。思わずジッと純子を見つめる。

きょとんとした表情を浮かべる純子は、相変わらず超絶可愛かった。
この子が、"あんな"書き込みを本当にするんだろうかって、やっぱり考えてしまうのだ。
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