憂鬱なる王子に愛を捧ぐ
「あれ……、よく見たら。真知、きのうと同じ服?」
「え!?」
純子は、にんまりと笑みを浮かべて、どこか好奇心に満ちた顔であたしを見つめる。
「もしかしてえ、尚君とお泊りデートでしょうか?」
「……ち、違う違う!」
茶目っ気たっぷりに言う純子に、慌てて否定を繰り返す。
「そんなに全力で否定しなくても。余計怪しいわよ~」
「だだ、だってさ」
どもるあたしにくすくす笑いながら、口元に手をやり、小さく首を傾げた。
「ねえ」