幸せの向こうに
そして、私達はデートに行く約束をした。
デート当日、
五分前に待ち合わせ場所にいると、
すでに、直也がいた。
「ごめん!遅れた?」
「大丈夫。俺も来た所。じゃあ、行こっか」
「うんっ」
そういうと、直也は私の手を繋いできた。
「えっ?直也?」
「んーどうしたー?」
直也は私がパニックになってるのを
面白そうに見ている。
私も緊張しながら手を握り返すと
直也は指と指を絡めてきた。
大きくてゴヅゴツした手、柑橘系の匂い。
いつも感じていたけれど、凄く近いから
嫌でも緊張する。